といいますか本ですが。

子供向けではありますが、ハードカバーの分厚い本。
七歳くらいのとき、初めて買ってもらった本です。
それまでにも絵本や雑誌の類は(漫画も含めて)買ってもらっていましたが、本格的な本はそれが初めてでした。

それはもう夢中になってしまいまして、消灯時間のあともこっそりベッドのなか、常夜灯(豆電球のやつ)の下でしつこく読んでおりました。
この世のなかにはこんなにも綺麗なものがあるのかと、たぶんチビの私の目はきらきらになっていたかと。
本の挿絵も、表紙のカバー画もその手触りもいまでもはっきりおぼえていて……ですが、引っ越しのときでしょうか、どこかのタイミングでなくしてしまって、記憶のなかだけに存在する本となってしまいました。
出版社のほうでもとうに絶版となった本。
このあいだふと思い出し、図書館の蔵書検索をしてみましたが、あるのは国会図書館だけ。
これではとうてい気軽に読むことなどできません。
もう二度と会えないのかなあ。
そんなことを思いつつネットの古書検索で探しましたら……。

あったー!!

ネットすごい、古書店めぐりをしなくても見つかりました。
早速通販を申しこみ、我が家にお迎えすることに。

そして、現在我が家にその本があるのですが、じつはまだ外装しか見ておりません。
あまりにも長いあいだいい思い出だけが頭に残っておりましたので、その記憶が上書きされたらどうしようというためらいがあるのです。
このまま思い出のなかだけで綺麗に取っておきたい。
いやいや。いま読めば、新たな感想が生まれるだろうし、旧い記憶はそれとして、今後もおつきあいをお願いできるかもしれないし。
などと悶々としているのです。
まるで、同窓会で初恋の人に会えるんだ……とわかったときの心境みたいに。
(いえ、同窓会などいっさい顔出ししたことのない私ですが、とりあえずそんな心境)
いまは時々、外装だけをちら見してます。

好きなひとを柱の陰から遠目に見る女生徒か!
自分でも笑ってしまう馬鹿さ加減なのですが、その本の外周をぐるぐる回る日々なのです。

パソコンの黒ちゃんは元気に素早く働いてくれています。
キーボードの配列がいままでと多少違うのでミスタッチは増えていますが、そのうち慣れると思います。
ちなみに、この連休(本日土曜日は出勤なので、二連休)はお話関連の作業です。
年末年始もぎゅぎゅっとお仕事。
大掃除はいたしますが、たぶん初詣は無理かもです。
今年みたいに六月に初詣とか……そんな感じになるのかな。

「クロネコ」のお話は粛々と進んでいます。
このお話、本になる分とはまた別にもっと書いてみたいので、そのうちSSとか、個人誌とかで続きが書けたらいいのになあと思っております。
それにはまず、目の前の作業を頑張らなくては、です。

今城のブログを見に来てくださった方、ありがとうございます。
寒波が訪れ、天候が荒れがちになっていますが、どうぞ温かくしてお過ごしください。
それでは、また。